2.摂食障害/拒食症とは?

摂食障害/拒食症(神経性食欲不振症)とは、食べることとやせることにとらわれてしまい、極端にやせた状態から体重を増やすことができず、食行動に異常をきたす障害です。

体に危険が生じるほどがりがりにやせてもまだ太っているように感じ(身体像の障害)、体重が増えることに対して強い不安や恐怖がわいてきます(肥満恐怖)。

そのため、極端なカロリー制限をしたり、運動をしたり、嘔吐や下剤の使用をするなどやせを維持するための過剰な努力をします。しかし体は飢えているので、その反動で食べ物のことばかり考えてしまい、行動も生活もすべて食に振り回されることになります(飢餓症候群)。

そして、肥満恐怖と飢餓症候群の間で悪循環が生じ、なかなか病気から抜け出せなくなるのです。

この神経性食欲不振症すなわち拒食症という病気は、自分が病気であるとは思えず治療に無関心であったり治療に抵抗があったりする人が多いのも特徴です。

やせ、疲れ、空腹についても自分では意識できない、または否定したい気持ちになります(病気の否認)。

この病気はあなたの心身に悪影響を与えるばかりか、生活すべてをむしばんでいく病気です。体にもさまざまな悪影響が生じ、極端な場合には死にいたります。

拒食症を治すためには、体重を増やせばいいだけではありません。その奥にあるやせていたい気持の原因に向き合い、ストレスに対処する方法を身につけなくてはなりません。

わかりづらい病気のようですが、この病気には特有のメカニズムがあります。
治っていくには、まず摂食障害/拒食症についてよく理解することが必要です。